“青うなぎ”を使った炭火焼きで名を馳せている、名古屋の行列店が東京初出店
JR線の高架下という雰囲気を感じさせないシックな外装に、伝統的な白地の暖簾
店は日比谷OKUROJIの新橋寄りに位置しており、天上は高く圧迫感はない
個室は2名から使え、4名用・6名用と複数の部屋がある
有楽町店では座席の事前予約も受け付けている
脂がタップリとのった分厚い蒲焼きが重なり合うように盛り付けてあるうな丼
うな重やうなぎ丼は数量限定であるが肝入りにすることも出来る
タレは少なめだが、蒲焼きのボリュームがあるのでこれで十分
ご飯の間に蒲焼きが一枚挟み込まれている
蒲鉾の上に白焼きと蒲焼きをのせた「うなぎの枕」
お酒のつまみに最適なうまき、うざく、うなぎの骨せんべえもある

東京 有楽町『炭焼 うな富士』

美味しいタレへの探究心と、脂ののった青うなぎの仕入れで唯一無二の店に

名古屋市昭和区で『炭焼 うな富士』を1995年に創業させた水野尚樹さんは、元々うなぎ養殖の飼料メーカーに研究職として勤務していた。自身の店を開くまでに全国各地のうなぎ店を巡り、店でタレをわけてもらい、タレの糖度と塩分濃度を比較検討し、老舗店のように何代にもわたって引き継いできたタレでなくても、同じような美味しさを創り出せることに気がついた。また、うなぎに関しては、飼料メーカー時代に培った全国各地の養殖場とのコネクションで、収穫量は少ないが脂のりが良くやわらかい事で業界では知られている“青うなぎ”の中でも、特大サイズだけを特別に仕分けして貰い入手するルートを確保し、50歳で店を開いた。
タップリと脂ののった青うなぎを美味しいく食べて貰うのに最適なのは良質の炭を使い、1000℃を超えるような超高温で地焼きにすることだと考え提供をはじめると、うなぎの激戦区名古屋でもうなぎの美味しさで地元で評判を呼び、瞬く間に行列店となった。

今では店の前に開店前から行列が出来、玄関先には行列待ちの人達が雨や直射日光を避けるためのテントが張られ、2時間から3時間待って入店するという、名古屋では知らない人がいない有名店となった。

「蒲焼きが二尾分入ったひつまぶし。高温の炭火でパリパリにやいているので出汁が染み込むとうなぎの新たな美味しさを感じる」

個人で創業したうなぎ店を飲食会社が秘伝を継承、次世代に美味しさを繋ぐ

この『炭焼 うな富士』の味を、継承して貰いたいという想いが創業者の水野さんにあったが、3人の子ども達はすでに独立していた。ちょうどその頃、うなぎ業態への参入を考えていた名古屋で居酒屋をはじめとする飲食店を運営するかぶらやグループの代表岡田憲征さんが、教えを請いたいと現れた。当初はその申し入れを断っていた水野さんであったが、岡田さんは諦めず、まず社員を養殖場で働かせうなぎの見分け方やさばき方を学ばせた。岡田さんの熱意が水野さんに伝わり、養殖場で働いていたかぶらやグループの社員を『炭焼 うな富士』で修行させることを認めた。社員の働きぶりや岡田さんの真摯な態度に、今度は水野さんから岡田さんに店を継承できないか話しを持ちかけた。岡田さんとしても店の味を永続的に継承するのなら飲食会社として引き受けるのに何ら迷いはなく、2018年4月に『炭焼 うな富士』はかぶらやグループの店舗になった。

個人で創業した有名店を、飲食会社が運営権を引き継ぐと聞くと、「味が変わってしまう」と不安感を抱く人もいるだろう。運営は飲食会社に代わったが、その後も水野さんは店頭に立ち、元々研究職だった経歴からもタレを科学的に評価し、うなぎの見分け方を客観的に分析して、若い社員に伝授していった。運営が代わった後、2019年5月に発表された『ミシュランガイド愛知・岐阜・三重2019』で『炭焼 うな富士』がビブグルマンに選ばれたことからも、運営母体が代わっても味は変わらず、若い人々に引き継がれていることは、証明したと言えるだろう。

超高温焼きが出来る厨房や内装にも込められた東京出店への想い

東京出店にあたっては、名古屋の本店と同じ味を披露するために譲れない条件がいくつかあったという。その中でも超高温での焼きを実現するためには、炭火焼きを出来る厨房でないといけなかった。東京都内では厨房での炭火の使用を認めていない高層ビルも多く、また厨房が狭くては換気も悪くなる。今回、日比谷OKUROJIに出店することを決めたのは、広い厨房で、炭火を使えるという点が大きかったそうだ。
『炭焼 うな富士』が名古屋を出て、更に飛躍を果たすために、東京出店ではコンセプトを磨き、玄関から店内に一歩足を踏み込むと、自然の中に入るようなイメージを持って貰えるようにしたという。その証拠に、店内に一歩入ると両側に本物の天然木が立ち並び、ホール席には一枚板で特注した木製テーブルが置かれている。高級店としての佇まいを意識しているのは、それらの天然木は二種類の違った色合いの木を使って本来の自然の多様性を表現し、テーブルも真四角には切らず曲がったままのものも置いていることからもうかがい知れる。店内奥に進むと、カウンター席もあるのだが、盆栽に使うような花木が植えられ、その小さな庭を愛でながら食事を楽しめる趣向に仕立てている。
内装の狙いを象徴するのは、玄関から入って正面の壁一面にモニュメントされた富士山であろう。超高温の炭火が焼かれているかのような、燃えたぎるように紅赤色に描かれた富士山は、創業者の想いと、会社組織として引き継いだ岡田社長と社員の、新しい『うな富士』を継承し広めるという情熱が込められた色のような気がしてならない。

「高架下ではあるが、店内奥のカウンター席では、正面の小さな庭に自然光が上から注がれる」

[取材:2020年9月、文/中西 純一、写真/佐藤 兼永]

店舗情報

  • 基本情報
  • 営業時間
  • 地図
  • その他

住所:東京都千代田区内幸町一丁目7番1号 日比谷OKUROJI H12
電話:(03)6457-9688
席数:73席(カウンター席、テーブル席、個室複数あり)
メニュー:英語メニューあり

<ランチタイム>
月曜〜日曜/11:00〜15:00(ラストオーダー 14:30)
<ディナータイム>
月曜〜日曜/17:00〜21:00(ラストオーダー 21:00)

<定休日>
不定休 ※日比谷OKUROJIの休業に準じる

開店:2020年9月10日(名古屋の本店は1995年創業)
運営母体: 株式会社かぶらやグループ
自社HP:https://unagi-unafuji.com
Facebook:https://www.facebook.com/炭焼-うな富士-有楽町店-104923851357055
Instagram:https://www.instagram.com/sumiyakiunafuji_yurakucho/
デリバリー:現在検討中
テイクアウト:うなぎ丼、上ひつまぶしなどはテイクアウト可能

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