コンビニのうな重を食べ比べ  うなぎ_STYLE編集部の関係者が実食比較2021

大手コンビニチェーン3社の「うな重食べ比べ2021」

日本初の鰻と丼の情報発信サイトである『うなぎ_STYLE』では、これまでも一般消費者が気軽に食べられる鰻(うな丼)として、外食チェーンの「うな丼チェック」を2020年から実施してきました。今年はこれに加え、多くの方々が利用している大手コンビニチェーン3社で土用の丑の日に向けて予約販売されている「うな重」についても実食会を実施し、コンビニならではの利便性に加え、味はどうか、チェーンごとに違いはあるのかなどなど、うなぎのプロから初心者まで、さまざまな立場から編集部とその関係者が集まり、コンビニ3社のうな重を食べ比べ、ざっくばらんに意見を交換しました。

2021年に大手コンビニチェーン3社が、土用の丑の日向けに販売した「うな重」

コンビニ各社の「うな重」購入方法と商品講評

コンビニチェーン3社では、土用の丑の日に販売する「うな重(うなぎ弁当)」に関しては、ほぼ事前予約でしか購入出来ない仕組みになっています。これは以前、コンビニで土用の丑の日に販売されていた「うな重」が大量に余り、廃棄物となっていたことが社会問題となり、コンビニ各社が問題解決のために予約での販売を始める事になった。一部のコンビニの店舗では予約していなくても「うな重」が販売されていることもあるが、店舗で店員に確認すると、予約せずに購入出来るのは店の裁量で仕入れた数だけで、実際に個数を尋ねると1〜2個程度で、予約せずに土用の丑の日の当日に購入するのは、2021年ではほぼ出来なくなっている状況。

コンビニ各社とも6月初旬には予約受付を開始しており、ネットやスマホでの注文を受け付けたり、購入する店舗で予約申込みする方法等、複数の方法で申し込みが出来る様になっている。気を付けなければいけないのは、予約販売される商品の数は各社ともおおよそ定まっているようで、商品によっては7月初旬には予約販売が終わってしまう品があり、早めに予約しないと購入出来ない点が挙げられる。
また、各社とも販売期間が限られており、土用の丑の日とその前日・前々日と3日間程度しか販売しないのも、他の弁当商品との違いと言えるだろう。予約の際には、商品を受け取りに行く日付だけでなく、時間も昼時が夕方の2つの選択があり、更に受け取る店舗も事前予約時に決めておかねばならない。

今回『うなぎ_STYLE』編集部の関係者に、土用の丑の日の前日夕方に集まってもらい、うなぎのプロと編集(メディア)のプロによる消費者目線で、コンビニチェーン3社の「うな重」を食べ比べを行った。3社の「うな重」を食べ比べてみると、それぞれの違いや特徴があることが分かった。2022年の土用の丑の日に、うな重をコンビニで予約購入を考えている方々の参考になれば幸いです。

実食による食べ比べ。漬物や容器にも各社のスタンスが現れていた。

ファミリーマート

<実食メニュー>
特上 鹿児島県産うなぎ蒲焼き重 2,880円(付属の山椒は紀州有田産)
鹿児島県産うなぎめし 1,480円
うなぎ蒲焼重(中国産) 1,280円

<総評>
・メイン商品のうなぎ蒲焼き重はうなぎの質もいい。こうした商品の場合、焼き上げに使われているタレと添付のタレは別のものになるが、うまく合うものを選んでいて、全体的にバランスがよい。
・ごはんそのものの美味しさは、レギュラー商品のクオリティがそのまま出るところ。他ブランドと比べるとやや物足りない。

<商品別>
●特上 鹿児島県産うなぎ蒲焼き重
・うなぎの質が高く満足度が高い。
・最上位グレードである「特上」にだけ添付されている「紀州の国産山椒」が印象的。「山椒がミカン科であることを感じる香り」「青い香り」などのコメントが出た。

●鹿児島県産うなぎめしについて
・使用されているうなぎは「国産」とのことだが味わいではいま一歩。専門家からは「国産の場合、大きく育て過ぎたうなぎは価値が落ちるので、そういううなぎをうまく活用したということなのではないか」「カットして使用しているのもそのためでは」との声が上がった。資源の有効活用という意味では評価できる。

●うなぎ蒲焼重(中国産)について
・うなぎは中国産だがおいしい。専門家視点では、「中国産のうなぎは質にバラつきがあるが、これはよいものを使っていると思う」との意見も出た。「国産のほうがおいしい」というイメージを覆す一品。
・今回実食中、コストパフォーマンスでは全会一致でナンバーワン。

セブンイレブン

<実食メニュー>
炭火焼き うなぎ蒲焼き重鹿児島県産鰻使用 2,980円
うなぎまぶし弁当 鹿児島県産鰻蒲焼き使用(3~4人前) 3,218円

<総評>
・ごはんは美味しいがうなぎの質が物足りない。その他添付のタレと焼きダレの相性など、全体なバランスはあと一歩。
・パッケージが普通のお弁当と変わらないのが寂しい。3000円近い商品であればもう少し気持ちが華やぐ高級感がほしい。

<商品別>
●炭火焼き うなぎ蒲焼き重鹿児島県産鰻使用 2,980円
・最上グレードのみ「炭火焼き」とのことだが、炭火感はそれほど感じられない。
・添えられている漬物が物足りない。卵焼きなどの添え物はなくてもよいので、本物の奈良漬けが入っているとよかった。
・他チェーンと比べるとうなぎの食感が硬め。
・ごはんは最もおいしい。

●うなぎまぶし弁当 鹿児島県産鰻蒲焼き使用
・小エビが入っているが、うなぎを主役と考えるなら、なくてもよかったのでは。
・うなぎの量も少ないため、うなぎ料理というより「ちらし寿司」の印象

 

ローソン

<実食メニュー>
鹿児島県産 特上うなぎ蒲焼き重 2690円
うな玉太巻き 1180円

<総評>
・「うなぎ蒲焼き重」の商品バリエーションは、大きさによる違いのみでシンプル。だが、シンプルによいものを打ち出すという戦略がかえってよかった。
・器に特別感があり、「特別なものを食べている」という気持ちが盛り上がる。

●鹿児島県産 特上うなぎ蒲焼き重 2690円
https://drive.google.com/drive/u/0/folders/1U74LGmJ1AJX8AuAXgGNVrXuOhSIJ6c4Z
・シンプルだが、「魚」としてのうなぎ本来の味を楽しめる。
・専門家からは「コンビニの場合は工場ごとの均質化が難しいところだが、シンプルにすることでそこを厳しくやっていそう」とのコメントが出た。
・今回実食した中では人気ナンバーワン。

●うな玉太巻き 1180円
・うなぎ料理というより太巻きのイメージ。恵方巻として980円程度なら魅力的。
・予約制でなく買えるのであれはよい。

 

■全体を振り返って
参加者全員で一致したのは、「ひとくちにコンビニのうな重と言っても、予想以上にブランドごとに差がある」ということでした。「今回食べ比べていなかったら、あまり考えずメジャーなブランドのものを買っていたと思う。次からは選んで買いたいと思います」という声も出ました。

半面、「スーパーなら2000円で国産の蒲焼き1尾が買える中で、2000円~3000円という価格帯や、予約制であることについてはどうか?」という点では意見が分かれました。参加者中最年少の編集部スタッフからは、「コンビニの気軽さはやっぱり魅力。自分のような若者が専門店で予約するのもちょっと敷居が高いし、忙しくて食べに行けない、近くにお店もないというときに便利」という意見が出ました。一方プロは、「価格の高さはイベント商品ならではとも言えるが、『高いから間違いがない』という消費者のイメージがあるのも事実」と分析。とはいえ「予約までするなら本当に美味しくあってほしい」「この価格なら器もそれなりに、気持ちの高まるものを使ってほしい」という声も出ました。「イベントは、何となくやらなきゃいけないというムードになりがちで、『催事疲れ』ということもある。やるからには企画する人も取り組んでほしいですね」(専門家)

今回、各社で予約方法にも差がありました。Webのみで予約が完結し、宅配も可能なチェーンもあれば、店頭で用紙に記入して申し込むのが唯一の手段というケースも。これについては「Webで注文、配送まで可能な『セブンミール』など、コンビニのサービスはレベルアップしている。が、その分モノづくりのコストが圧迫される場合もある」と専門家。「逆に今回のローソンのように『同じ鰻でサイズを変えるだけ』という方法は、まさに本来の鰻屋の売り方。そうやって売り方をシンプルにし、その分質にコストをかけてくれるのであれば好感が持てます」いずれにしても、コンビニのうな重に期待をする気持ちは共通。専門家の1人は、「回転寿司チェーンは昔、カウンターの寿司店と比べて低く見られていたが、今は各社が『回転寿司でここまで!』と思わせる美味しい寿司を出している」という例を挙げ、「それと比べるとコンビニのうな重はまだ成長過程だと感じました。回転寿司のようにレベルを上げて、『コンビニでここまで!』と言わせるうな重を生み出してほしいですね!」と締めくくった。

3社の漬物の違い。うな丼に奈良漬けを添えるなら、食材に大根を使っていたのには疑問の声があった

 

<評価会実施日>
2021年7月27日[火]

<食べ比べ会の概要>
■進め方
[1]対象商品は同じ日に購入した品を、同じタイミングで食べる。
[2]温かさに差が出ないよう常温の状態で食べる。

■実食会メンバー
鰻の蒲焼きや活鰻の輸入と販売に携わる専門家を交えた、『うなぎSTYLE』編集部スタッフと日本流行丼大賞2021実行委員会メンバーの合計6名。

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