うなぎ書籍リスト2021

日本では縄文時代から食されてきたと考えられている鰻は、長年謎の多かった生態についての研究は盛んであり多くの書籍が発刊されている。また、うな丼や蒲焼についての歴史や食文化についての書籍も近年出版され、小説やドキュメンタリーにコミックもある。様々な角度から鰻について興味を持って頂き、知識を深めてもらいたいと考え、今回『うなぎ_STYLE』編集部で「うなぎ書籍リスト」を作成しました。書籍にはAmazonのリンクを貼っており、詳しくはリンク先を御覧下さい。

【総合】

『結局、ウナギは食べていいのか問題』(岩波科学ライブラリー) 2019/7/19
海部 健三
うなぎは本当に絶滅するの?土用の丑にやたらと食べるのがダメ?どんなウナギを選べばいい? 気鋭のウナギ研究者がQ&Aで整理し、うなぎと美味しく共存する道を探ります。


『ウナギの科学(シリーズ“水産の科学”) 』 (朝倉書店) 2019/6/21
塚本勝巳著
いまだ謎に包まれているうなぎについて、文化史、生態、漁業・養殖、資源の保全などさまざまな側面から解説します。


『ウナギNOW―絶滅の危機!!伝統食は守れるのか? 』(静岡新聞社)  2016/6/1
静岡新聞社、南日本新聞社、宮崎日日新聞社 編
養殖うなぎの主産地の地元3紙が取材班を結成。稚魚採捕、養殖、流通、消費、研究などの現場を国内外で取材しうなぎの「今」を追う。2015年水産ジャーナリストの会大賞を受賞した長期新聞連載の書籍化。


『ウナギと人間』 (築地書館) 2016/5/11
ジェイムズ プロセック著 小林正佳訳
ポンペイ島のトーテム信仰、米国のダム撤去運動、産卵の謎から日本の養殖研究まで、世界中を取材し、ニューヨーク・タイムズ紙「エディターズ・チョイス」に選ばれたノンフィクション。


『ウナギと日本人:“白いダイヤ”のむかしと今』(河出書房新社) 2014/6/13
筒井功著
太平洋沖合から日本の川へ辿り着いたシラスは、どうやって再び故郷に戻るのか―日本人になじみの深いウナギだが、養殖が進み、シラスが高騰する中、その確保に夢中になる。そしてシラス相場と人心は揺れ動く。けなげでたくましい、ウナギと人間の交渉史。


『日本うなぎ検定: クイズで学ぶ、ウナギの教科書』(小学館) 2014/2/26
塚本勝巳、 黒木真理著
「なぜ夏の土用の丑の日にうなぎを食べるようになった?」など、うなぎにまつわる74のクイズでウナギに関するさまざまな知見を紹介します


『ウナギの博物誌―謎多き生物の生態から文化まで』(化学同人) 2012/11/1
黒木真理著
うなぎと日本人がどのように関わってきたのかを、生物学・生態学的な側面、食資源動物としての側面、文化的な側面から博物学的に考えます。


『うなぎ・謎の生物』(築地書館) 2012/6/28
太田博巳、香川浩彦、田中秀樹、塚本勝巳、廣瀬慶二、虫明敬一著
ウナギの調理方法や消費量、産卵の謎から完全養殖への道まで、さまざまな分野の専門家がそれぞれの視点からウナギの魅力を語ります。


『ウナギ―地球環境を語る魚』(岩波新書) 2007/8/21
井田徹治著
うなぎの不思議な生活史、養殖とシラスウナギ・ビジネスの実態、欧州での資源管理の試みなどをレポート。グローバル化時代の食と環境を考えます。

【歴史・文化】

『ウナギが故郷に帰るとき』(新潮社) 2021/1/27
パトリック・スヴェンソン著  大沢章子訳
謎に包まれたウナギの一生を解き明かしつつ、謎に挑んだ科学者、ウナギと生きる漁師、幼き日のウナギ釣りの思い出などを語り、我々に「生きることの意味」を問いかけます。34カ国語に翻訳された世界的ベストセラー。


『すし 天ぷら 蕎麦 うなぎ: 江戸四大名物食の誕生』(ちくま学芸文庫) 2016/3/9
飯野亮一著
なぜうなぎには山椒を添えるのか?膨大な史料をもとに江戸時代の食文化を読み解き、江戸四大名物食誕生の歴史に迫ります。

『ウナギのふしぎ―驚き!世界の鰻食文化』(日本経済新聞出版) 2005/6/1
リチャード・シュヴァイド著  梶山あゆみ訳
生態や世界各国の食べ方、漁の方法、養殖ビジネスなど、ウナギにまつわる数多くのテーマをレシピ付きで綴る紀行ノンフィクション。

【生態】

『ウナギの保全生態学』 (共立出版) 2017/1/12
海部健三、 鷲谷いづみ著
ニホンウナギの減少が危惧されるなか、日本社会の実情も踏まえつつ、保全と持続的利用を進めるための具体的な指針を提示します。


『ウナギのいる川 いない川』(ポプラ社) 2016/4/1
内山りゅう著、 揖善継監修(ポプラサイエンスランド)
小学校中学年を対象に、うなぎが一生の大半をすごす川での様子に迫った科学読みもの。数多くの貴重な写真を交えつつ、絶滅危惧種のウナギを守る方法を探ります。


『大洋に一粒の卵を求めて: 東大研究船、ウナギ一億年の謎に挑む』(新潮文庫) 2015/6/26
塚本 勝巳著
「世界で一番詳しいウナギの話」改題。広大な海で直径1.6ミリの卵を探しあてた世紀の大発見の軌跡を綴ります。


『うなぎ 一億年の謎を追う』(学研プラス) 2014/10/28
塚本勝巳著
小学校中学年を対象に、うなぎの不思議を40年追い続けた「うなぎ博士」が送る科学の謎解き。


『うなぎのうーちゃん だいぼうけん』(福音館書店) 2014/6/20
くろきまり著、 すがいひでかずイラスト
南の海で産まれ、半年ほどかけて日本の近海を訪れ、川や沼で数年間を過ごすうなぎの旅を「うなぎのうーちゃん」の旅を通して描く絵本。


『調べてみよう!生きもののふしぎ ウナギのなぞを追って』(金の星社) 2014/3/1
塚本勝巳監修
生きもののふしぎに目を向け、科学的に探究する小学校中学年以上向けのシリーズ。写真を数多く掲載し、うなぎの生態やうなぎ探しの旅についてわかりやすく紹介しています。


『うな丼の未来 ウナギの持続的利用は可能か』(青土社) 2013/10/24
東アジア鰻資源協議会日本支部 編 著
どうすれば資源を回復させることができるのか?うなぎの食文化を絶やさないため、各界のキーパーソンたちが一堂に会した公開シンポジウム(2013年7月東京大学にて)の書籍化。


『わたしのウナギ研究』(さえら書房) 2013/4/1
海部健三著
意外と知られていない「足もとの川」に住むうなぎの生活。その川での生活を知るために、岡山県の児島湾・旭川で調査を行った若き研究者の記録。


『世界で一番詳しいウナギの話』(飛鳥新社ポピュラーサイエンス) 2012/9/7
塚本勝巳著
うなぎ天然卵発見秘話、稚魚の餌、完全養殖に足りないものは何か等、「世界で一番詳しい」うなぎの知識が得られる1冊。


『ウナギ 大回遊の謎』 (PHPサイエンス・ワールド新書) 2012/6/1
塚本勝巳著
「大海原で親うなぎが産卵する瞬間をピンポイントでつかまえたい」という謎に挑んだ科学者たちが、ついに世界初、親うなぎの捕獲と天然卵の採取に成功するまでの冒険の記録。


『ウナギの科学―解明された謎と驚異のバイタリティ』(恒星社厚生閣) 1999/4/1
小沢貴和、 林征一著
うなぎ幼期に関する研究成果を紹介し、うなぎの肝細胞と筋細胞における脂質代謝について解説しています。

【養殖】

『ウナギ養殖業の歴史』 (筑波書房ブックレット—暮らしのなかの食と農) 2013/10/1
増井 好男著
明治~現代に至るうなぎ養殖業の歴史をたどる1冊。「ウナギ養殖業の歴史年表」と、明治32年以降平成24年までの「ウナギ漁獲量と養殖ウナギの生産量および養殖比率」付き。

お店紹介

『東京老舗名店』(ぴあMOOK) 2021/6/11
ぴあレジャーMOOKS編集部
うなぎ/天ぷら/蕎麦/江戸前鮨/日本料理/丼など、日本の食文化を後世に伝える「東京の老舗」125軒を紹介。


『[新訂版]東京 五つ星の鰻と天麩羅』(東京書籍) 2017/7/27
見田盛夫著
2007年7月に初版が発行された『東京 五つ星の鰻と天麩羅』を、2017年3月~5月の取材をもとに加筆修正した改訂版。東京のうなぎの名店40軒が掲載されています。


『お国自慢 鰻料理百科』(Shotor Library) 1998/7/1
佐藤隆二編、『サライ』編集部編
雑誌『サライ』特集「鰻お国自慢」に内容を追加してまとめたもの。天然うなぎの美味しい店19軒の紹介や、コラム「お国自慢の鰻漁法」などを収録。

エッセイ・小説・コミック

『うなぎ女子』 (光文社文庫) 2020/7/8
加藤元著
鰻屋「まつむら」を舞台に展開する、5人の女たちの物語を描いた連作短編小説集。


『うなぎばか』(早川書房) 2018/7/15
倉田タカシ著
もしも、うなぎが絶滅してしまったら?そんな「うなぎなき世界」における人間たちの悲喜こもごもを描いたSF連作短編。


『鰻(紙礫)』 (皓星社) 2016/12/5
石川博編
ご馳走でありながら、生態は謎で、恐ろしく妖しい生き物とれたうなぎ。小説、エッセイ、和歌狂歌、詩、落語や民俗学の記述など、「鰻」のそれぞれの側面を描いた作品を収録します。


『うなぎと日本人』 (角川文庫) 2016/9/22
伊集院静選 日本ペンクラブ編、ヒロミチイト絵
食通たちがうなぎの美味しさと魅力を情感たっぷりに語り尽くすエッセイから、落語の名作「鰻の幇間」まで、ウナギが登場する名作を集めた1冊。


『うなぎ: 人情小説集』(ちくま文庫) 2016/1/7
浅田次郎選 日本ペンクラブ編
岡本綺堂、井伏鱒二をはじめ、うなぎをめぐる人間模様を描く名作を選りすぐったアンソロジー。時代物から現代物まで幅広く収録されています。


『すし、うなぎ、てんぷら~林 修が語る食の美学』 (宝島社) 2015/2/12
林修著
食通でもある林修先生が、「すし」「うなぎ」「てんぷら」を語りつくす「食」エッセイ。一流店の店主に話を聞き、その道のプロフェッショナルしか語れない裏話、雑学、嗜み方などを引き出します。


『にょろり旅・ザ・ファイナル 新種ウナギ発見へ、ロートル特殊部隊疾走す! 』(講談社) 2013/12/12
青山潤著
『アフリカにょろり旅』『うなドン 南の楽園にょろり旅』に続く『にょろり』シリーズ第三部。東大研究チームの青山氏が70年ぶりに19種目となるウナギの新種を発見した、笑いいっぱいの旅の記録。


『うなドン 南の楽園にょろり旅』 (講談社文庫) 2013/7/12
青山潤著
東大研究チームのサバイバル・うなぎ採集旅行記第2弾。全種制覇まであと一種類というところへ、ドイツと台湾の研究チームも標本を集め始めたとの情報が。研究チームが慌てて飛び込んだタヒチで待っていたものは?


『う(1)』 (モーニングコミックス,講談社) 2011/6/23
ラズウェル細木著
呉服屋の若旦那・藤岡椒太郎(しょうたろう)が、さまざまなシチュエーションでうなぎをおいしく食べつづける漫画。全4巻。


『生涯うなぎ職人 二百年続く老舗「野田岩」の心と技』(‎商業界) 2010/6/25
金本兼次郎著
海外への出店や老舗の味を受け継ぐ人材の育成で事業を発展させ、ワインとのマリアージュ提案や真空パック商品の開発など技術の対鏡にも取り組んできた「野田岩」五代目が語る仕事論。


『うなぎ丸の航海』 (講談社文庫) 2007/4/13
阿井渉介著
うなぎの卵発見を目指して出航した東京大学海洋研究所調査船・白鳳丸。探査に同行した推理作家・阿井渉介が海洋学の謎に挑む、汗と涙と笑いの冒険ドキュメント。


『アフリカにょろり旅』 (講談社文庫) 2007/2/10
青山潤著
全18種類のウナギのうち、唯一まだ採集されていない「ラビアータ」を求め、2人の研究者が繰り広げる爆笑アフリカ冒険記。第23回 講談社エッセイ賞受賞作。

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